11月27日から開かれていた11月定例県議会は、12月13日最終日を迎えました。
県議会には、土井由三さん(元小杉町長)ら4人の連名で「秘密保護法反対」の請願が提出され、日本共産党と社民党が共同で本会議に「秘密保護法の施行中止・撤廃を求める意見書」を提案しました。井加田まり議員(社民)が提案理由説明し、武田愼一議員(自民)が反対討論、私が賛成討論をしました。
11月7日の国会審議以来1か月、この法案は審議が進めば進む程、反対世論が広がったのが特徴でした。12月6日の衆議院での強行採決後の世論調査でも、特定秘密保護法に「反対」60.9%、「賛成」24.9%です。「このまま施行すべき」9.4%、「修正ないし撤廃すべき」があわせて82.3%です(いづれも共同通信)。日本ペンクラブ、日本弁護士連合会、日本新聞協会をはじめ、多くの団体、文化人、マスコミ関係者などが「反対」の声をあげ、法案成立直後からも「廃止・撤廃」を求める「声明」などが、次々と発せられています。
富山県内でも、反対運動はいっきに広がりました。県内19氏が呼びかけた「秘密保護法反対緊急集会」が、11月21日JR富山駅前で開かれ、雨のなか280人が参加。社民党の菅沢県議と私が連帯の挨拶をさせていただきました。参議院特別委員会が、強行採決をした12月5日にも再度反対集会が行われ、300人が参加し、抗議の声に包まれました。この反対の運動が、直接「請願」となって県議会に届けられたのです。
国会審議のなかで、日本共産党が大きな役割を果たしたことも、特筆すべきことでした。7月の参議院選挙で日本共産党が3議席から8議席に躍進し、非改選とあわせて11議席となったことで、議院運営委員会に理事を送り、本会議での登壇は前回3回から15回に増え、特別委員会では60分の質問ができました。安倍首相や森担当大臣の「原発情報は特定秘密にあたらない」「今ある秘密の範囲がひろがることはない」「一般の方が巻き込まれることも決してありません」などの答弁を、事実にもとづいて次々に突き崩し、国民の反対運動はさらに広がりました。
国民の反対世論に追い詰められた安倍内閣と与党は、石破茂自民党幹事長が「大音量のデモは本質においてテロと同じ」と発言し、12月6日の会期末までに法案を成立させるために暴走。福島で開催された地方公聴会では自民党推薦の公述人をむくむ7人全員が法案への「反対・慎重」を表明したにもかかわらず、翌日26日に質疑を打ち切って採決を強行。与野党合意のないままの委員会の委員長による「職権」での開催が繰り返され、12月5日には採決強行に協力しない民主党の2委員長を、解任し自民党議員に強引にすげかえ。国会史上初の暴挙でした。この強行劇には、富山県議会の質問のなかで、自民党議員からも「ちょっとどうかと思う」との声があがりました。
県議会の私の討論のなかで、自民党議員席から一番ヤジの声があがったのは「反対世論に追い詰められた安倍内閣・与党は、なりふりかまわぬ強行突破作戦に出たのです」「いま世界ではもねごとは軍事力で解決するのではなく、外交と話し合いの力によって解決する流れが大きく広がっています」「中国・北朝鮮など北東アジアの危険な動きに対しても、軍事的対応ではなく、毅然とした外交努力こそが求められているのです」との箇所でした。安倍内閣に追随し、全国で初めて改憲議員連盟を今年結成した富山県議会の自民党との、まさに正面対決の一幕でした。県内での反対運動を背中に感じて、自信を持って討論ができました。今回の暴挙は安倍内閣の「終わりの始まり」に必ずなるでしょう。
13日の県議会本会議では、紹介議員となった「障害者の舗装具費支給制度の抜本改正を求める意見書」が全会一致採択されました。
日本共産党からは、経営安定対策の半減・廃止や、生産調整廃止に反対する「政府の米政策転換についての意見書」を提案。社民党が賛成しましたが、政府の政策を基本では容認する自民党提案の意見書が採択されました。
自民党から提案された「中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議」は、「冷静かつ毅然たる態度であらゆる手段を講じられるよう」との文言を「あらゆる外交手段などの措置を講じられるよう」と修正のうえ本会議に提案され、全会一致で採択されました。