昨年末、大阪市立桜ノ宮高校バスケ部のキャプテンが、体罰を受けて自ら命を絶った。この事件は、柔道女子日本代表チームの体罰告発と合わせて、全国に衝撃を与えた。
文部科学省の指示のもと、県教育委員会が2月に実施した体罰調査の結果とそれに基づく処分が、6月5日に開かれた県議会教育警務委員会で報告された。調査の結果、昨年度県内公立小中学校と高校で、あわせて137人の生徒が、49人の教師による体罰を受けていたとのこと。退職済みの教諭を除いて、全員に一定の処分が行われた。
部活を含む学校における体罰は根が深い。特に、体育系部活動では、戦前の軍隊の影響を強く受けた指導方法が、根強く残っている。それらを受けて育った指導者が、いまだに生徒を殴る、蹴る。5日の県議会でも、自民党の若手議員からも「愛のムチ」と肯定する議論や、「体罰教師はごく一部。その教師を徹底的に指導すべきで、全体で根絶のための議論をするなど時間と労力のムダ」などと議論も出され、事態の根深さを感じる。
私は、3月県議会の一般質問でも、5日の常任委員会でも体罰根絶のための真剣な取り組みを教育委員会に強く求めた。子どもの権利条約の普及・徹底、実力のある選手・指導者による体罰のない指導の必要性などの研修、根絶への取り組みのための指導者への補償をはじめとした教育条件整備など、真剣な取り組みが求められている。
質問の後、教育委員会側の先生から「火爪先生は県議会で貴重な存在」と、そっと激励をいただいた。子どもたちのために、現場でがんばる先生たちのために、少しでも力になる働きがしたい。そんな思いでいっぱいです!