8月24日午後から、荻浦地区センターで「馬場記念公園の歴史と自然を愛する会」の総会が開かれました。
馬場記念公園とは、富山市蓮町にある旧制富山高等学校(現富山大学の前身)の跡地の公園です。1923(大正12)年に創立された旧制高等学校は、岩瀬の廻船問屋馬場家の馬場はるさんが、富山県に7年生の高等学校設立のために100万円を寄付したことから建設された。初代校長南日恒太郎が、富山に優秀な教員と学生を集めるために、当時東京にあった小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の蔵書約2,500冊を、旧制富山高等学校に譲り受け、「ヘルン文庫」があった地。「ヘルン文庫」は、現在は富山大学図書館で所蔵されています。
「愛する会」は、日本共産党の元県議の犬島肇さんが、岩瀬や荻浦地域や旧制富山高等学校にかかわった方たちと組織し、会長は米田寿吉さん(旧富山銀行頭取)がつとめてこられた、伝統のある「会」です。米田さんが亡くなられて、しばらく活動が休止状態になっていたものを、2年前に行事を企画したことを契機に、活動を再開させてきました。
去年は7月に、県自然博物園ねいの里前館長・湯浅純孝さんの講演会「馬場記念公園周辺の自然今昔」を開催。県自然保護課には、昨年度改定した「レッドデータブックとやま」の説明もしてもらいました。今年7月には、荻浦地区ふるさと推進協議会との共催で、巣箱づくりに取り組みました。生物多様性を保全する取り組みをめざしているのも、この会の特徴です。
今年の総会での特別報告は「運河を活かした北部地区のまちづくり」。県土木部港湾課建設係長さんと、観光課にぎわい創出班長さんから、約1時間報告をしてもらったあと1時間ほど熱心に意見交換が行われました。馬場はるさんのお孫さんにあたる岩瀬の馬場是久さんや、元県議の犬島さん、自民党の元市議・松本弘之さんなどもご参加いただきました。
参加するたびに、馬場記念公園への熱い想いを抱く方々から、新しいお話をうかがい、気持ちが豊かになります。毎回、参加した県職員のみなさんが、そうした歴史や地域の想いを熱心に学ぼうという姿勢でいてくれるのもうれしいことです。
私も、先輩の犬島さんのお誘いで、2年前からこの会の世話人に加えていただきました。馬場記念公園の歴史を学ぶことは、富山県の近代化の歴史を学ぶこと、そのものでもあります。これからも、地域のみなさんとこの「愛する会」を大切にしていきたいと思います。