9月定例県議会が、11日から30日までの予定で開かれています。私は、24日に予算特別委員会、①TPP交渉と米価対策、②ブラック企業対策、③県立近代美術館の移転・新築、③富岩運河の整備促進、④県民の暮らしの厳しさと税金差し押さえの増加、⑤避難行動支援者と避難訓練、について質問しました。
TPP交渉については、交渉内容を日本政府が国民に開示しない秘密協定、秘密主義を批判。知事の答弁は「秘密協定があるからしかたがない面もある」「交渉ごとだから」「それでも、農林水産大臣に可能なかぎりの情報提供を要望してきた」などというものでした。TPPに賛成・反対を聞かれれば、知事は「どちらでもない」との姿勢。結局、秘密協定についても容認の立場で、「とんでもない」とは言われないのです。
質問では、WTO交渉でまとまらなかった各国政府による漁業補助金の廃止について、アメリカなどがTPPで取り上げようとしている問題の危険性を指摘。農林水産部長も「乱獲につながるとの主張はまったくあたらない」「廃止になれば重大」「政府に廃止反対を働きかけている」と答えました。
私のすぐあとに質問にたった自民党の議員さんも、同じくTPP交渉を批判し、農業補助金について取り上げました。おもしろかったのは、この議員さんが質問のなかで、「火爪さんと質問が重なった」「火爪というより理詰で上手に質問された」「同じ質問をするということは、火爪さんが自民党に近寄ってきたということか・・・、それとも私が共産党に近寄っているのか・・・」と言ったこと。議場は爆笑でした。翌朝、これを囲み記事で紹介した富山新聞が、「TPP交渉は厳しい折衝が予想されるだけに、国益を守るためには『超党派で』とばかり」とまとめてくれたのもグッドでした。
移転・新築が提案された県立近代美術館。私は、元県議の犬島肇さんをはじめ何人かにご意見をうかがいながら、地元の共産党の会議や、共産党県常任委員会での討議・検討もしていただきました。それらの意見をもとに、美術館の学芸員さんの意見をうかがったり、金沢21世紀美術館や倉敷の大原美術館に改めて勉強にも行きました。そして数ある論点のなかから、富山出身の詩人・美術評論家である瀧口修造氏の業績とコレクションを美術館の柱にしっかり据えて、啓蒙・普及に努めることと、これまで貧弱だったミュージアムショップの拡充などについて、絞って提案しました。それぞれ、知事や部長からも積極的な答弁があって、よかったと思います。
あわせて私は、この移転・新築の話が、5月の美術館移転改築検討部会の設置決定から、その最終報告案のとりまとめまで、わずか3カ月の間に猛スピードで進められたことについて、「拙速ではないか」との県民の声を、知事に正面から提起しました。移転先の選定も、新美術館のコンセプトの取りまとめも、一部の人たちで決めてしまったのではないかとの批判は当然です。検討部会の中間報告案についてのパブリックコメントも、たった2週間で締め切られ、こんなに大きなテーマなのに、結局50人足らずからしか寄せられませんでした。もっと丁寧な検討作業が、必要なのではないか。これは、まちがいなく県議会全体に充満していた声でした。
知事は、よっぽど心外に思ったのでしょう。予定していた答弁原稿を読み上げたあと、弁解というか、自分の主張をこれでもか、これでもか・・・と延々と話されて、答弁は10分30秒にも及んだのです。私の質問は、2分程だったでしょうか。これには、みんな唖然とするやら、あきれるやら。私の質問時間は、答弁も含めて60分。結局、質問が一つできませんでした。次の日の各地元紙は、いっせいに知事のこの「長~い答弁」について、書いていました。
今回の質問は、これまで以上に多くみなさんと一緒に考えた質問でした。県労連のみなさんと一緒にブラック企業対策の質問を考え、農民連のみなさんとTPP交渉や米価対策について検討し、荻浦地域のみなさんと富岩運河の整備を考える学習会に取り組み、障害者団体のみなさんと県総合防災訓練に参加して課題を考えるなど・・・(質問原稿は「議会報告など」に格納→こちらをクリックすると質問原稿(ワード形式)が開きます。お読みいただければ幸いです)。
答弁の内容も、今後の取り組みにつながりるもの、みなさんに喜んでいただけるものが、いろいろありました。質問づくりに協力してくださった皆様に、心から感謝いたします。